西遊記人物紹介(岩波文庫版を基本とする)2



西遊記 サブキャラ編

                                   
李三太子・ナタ=口+那 口+托(手扁抜き)
漢字出せないのでイラスト内にてww(※注;嘘漢字で那托と表記します)
「ナタク」は間違い!読み。封神演義で慣れちゃった人はこの機会に覚え直そう。とはいえいっそ別人扱いでいいかも?(原典の封神ファンは怒るだろうが)。
李天王の三番目の息子「三太子」として頻繁に登場。大閙天宮編(五百年前)では悟空に負けてるが、不思議とたいへん悟空に親身。父親を遮ってまで悟空を庇う一幕もあった。一度死んで如来さまの力で蓮の精として生れ変わっており、封神とは微妙に違う。「仙女と見まごう美形」と原典にも記される萌えキャラ。
顕聖二郎真君(楊セン)

こちらも漢字出ないためイラスト内を確認のこと。
玉帝の甥で灌かん州灌口に廟を構える天仙。梅山六義弟を従え脇には常に忠実な犬を連れ、独自に1200の神兵を持つ見目麗しい美青年。細部は違えど封神演義の楊箋とほぼ同一視される。あ、こちらも読み間違いなので注意。ヨウセンね、ゼンじゃないから。
五百年前には唯一悟空と互角に渡り合った実力者。取経編でも三蔵一行に手助けしてくれた。師匠を助けてほしいと頼む悟空に、笑って「ともあれ久しぶりだから一緒に飲もう」とかいって酒盛り始めちゃう人。
観世音菩薩(観音菩薩)

三蔵一行のマネージャー。というか上司?
大慈大悲の観音さまなので、妖怪にも優しい。なるべく殺さず有効利用(笑)、また、なにかある度に悟空が駆け込み寺もしくは相談窓口として使うためその存在感は大きい。緊箍でもって悟空を制御していたのはつまるところ三蔵当人ではなく観音菩薩であったろう。
ついでに、女性として描いているのはわざとです。一応仏教内では無性(か男性)扱いなのだろうが、中国文化のなかで観音は女性とされるのが一般的であり、西遊記でも女性として扱われているため。

釈迦如来

西遊記でのお釈迦さまは西牛貨洲)(さいごけしゅう)の霊鷲山(りょうじゅせん)・雷音寺(らいいんじ)にたくさんの仏法神や菩薩、羅漢とお住まいになっていらさる。広大無辺な力をお持ちだが、ほんとにいざというときにしか出てこない。
恵岸(えがん)行者/木叉(もくさ)

封神演義では木托モクタ。李天王の二子、那托の兄。観音菩薩の一の弟子として常に傍に従う。大閙天宮(天界で大暴れの回)の際、悟空とは一度手合わせしたが全く敵わず逃げている。観音の使いとして頻繁に登場する。攻略アイテムの運び人。
紅孩児(こうがいじ)/善財童子(ぜんざいどうじ)

牛魔王と鉄扇公主との子供。三蔵をさらって食べようとしたので悟空たちとドンパチになった。みかけは7歳くらいだが300年も火焔山で修行し、普通の水では消せない「三味真火/さんまいしんか」を操ることができる。いっちょまえにひとりで洞を持ち部下もたくさん率いていた。
後に観音菩薩の弟子となり、善財童子を名乗る。善財童子とは仏教でもともと存在する童子の名だが西遊記で流用されている。
托塔李天王 那托の父李靖(りせい)。幼い那托に困らされ息子を殺そうとしたので生れ変った当人と喧嘩になった。 如来が「み仏を父と思い恨みを忘れよ」と仲裁した。その仏つうのが手に捧げ持つ黄金舎利塔。 この塔を手から離すと、那托が襲い掛かると思ってるらしい(呆笑)。息子と共に頻繁に助っ人として登場。悟空を嫌ってる。
玉帝&西王母 玉帝は霊霄(れいしょう)殿にいらさる。西王母は瑶池、蟠桃園(ばんとうえん)の主。
太白金星 たいへん気のいいおじいちゃん。悟空のことを何度も玉帝にとりなしてくれた。八戒のことも助けてくれたらしいし、まだ悟空を弟子にしていない三蔵が妖怪に食われそうになったときも巧みにフォロー。取経編では度々通りすがりの人間に化けて「この先災難があるから気をつけな」と忠告をしてくれる。が、決して手伝っていかないのがミソ。おじいちゃんだから。
太上老君 封神演義の彼を思い出してはいけない(笑、封神の彼は大好きだ!)。三十三天の更に上、兜率(とそつ)宮に住まう。金星と好対照に、どっちかつうとぶつくさ文句おじいちゃん。悟空を見るたび金丹泥棒と罵り、出て行け、くるな、と門前払いしてくる。でも結局は助けてくれるので口が悪いだけだと思う。
牛魔王 悟空の義兄弟、七人兄弟の一番上を名乗れるのだから相当強い。実際、芭蕉扇を巡る戦いでは猛烈な強さを見せてくれた。義弟である悟空にも最初は寛大だったが結局こじれてドンパチに。正妻をほったらかして金目当てで別邸に妾を囲っていた。
鉄扇公主(羅刹女) 牛魔王の正妻。大変気が強い女妖怪だが、性格は真面目で潔く、最後には仏門に帰依して正果を得る。悟空一行と関わってしまったのが彼女の運の分かれ目。紅孩児の件さえ無ければもう少し扇も借りやすかったろうに。と言っても詮無いことだが。
金角・銀角 正体は内緒(笑)。すっごいお宝を5つも持っていて三蔵を食おうと待ち構えていた、なかなか手強い妖怪兄弟。名前を呼ぶとなんでも吸い込む瓢箪は誰でも知っていると思う。他にも七星剣やら呪文で絞まる縄やら、攻略するのにえらい苦労したが、最後には全部悟空の手に収まって無事解決。
白骨夫人 悟空第一破門事件(冤罪)、の発端である妖怪。みせかけの死体を使い、三蔵を騙す。悟空だけが妖怪の正体を見破っていたのだが…。このエピソードはたいていどのドラマでもどの訳本でも略されず描かれる事が多い。
独角じ大王 相手の武器やらなにやら全部吸い付けてしまう不思議な輪っかのお宝を持ってる妖怪。正体は青牛。さすがの悟空も金箍棒をいきなりぶんどられて手も足も出ず、天に上って玉帝に泣きついた。そのあと山ほど天兵援軍を呼んでもかたっぱしから武器を奪われ大騒ぎ。李天王や那托も参戦し、笑えるどたばたをやらかす。日本TVドラマ版で、まんまるい蛍光灯!振り回してたのはたいへん印象深い。
地湧夫人 お約束通り、人間に化け三蔵にすがった女妖怪。悟空が止めるも言い出したらきかない三蔵は彼女を連れて行くことに。なかなか手強く、悟空は李天王と那托に手伝ってもらってやっと捕まえた。それまでの李天王や那托とのやりとりがけっこうツボる、というか萌え。
九頭拊馬(九頭虫) 乱石山碧波潭、要するにどっか山の中の深い泉にすむ竜王一家の娘「万聖公主」の婿(=拊馬)。正体は頭が9つある化け物。偕成社版の玉竜(白馬)の恋がたきともなっている(大笑)。 同じ竜繋がりということで、むかーし万聖公主は玉竜の婚約者だったそうな。横から奪われたんだって。…そんな話はオリジナルにはないが、まあおもしろい設定かなあ。退治する際に二郎真君が助太刀するというのもポイント高い。
黄眉大王 にせ雷音寺をつくって三蔵を待ち構えていた妖怪。攻略に手間取るすっごいおたからをいくつももっており、とっつかまった三蔵とおとうとたちを助けるのに悟空は相当苦労した。 独角じ大王のお宝が「武器をなんでも吸い寄せる輪っか」なら、こっちは「人ごとなんでも吸い込んで閉じ込めてしまう袋」。金角銀角の瓢箪は名前を呼んで返事をしないと吸い込めないがこの袋は空中に投げただけで天兵たちをもまるごと吸い込み、際限なし。 ついでに悟空を最初にとじこめた金のシンバルも、天から二十八宿星を総出で呼び出し手伝ってもらってやっと抜け出た。悟空は、とかく瓢箪にしろ瓶にしろシンバルにしろ、一度はかならず何かに閉じ込められて酷い目に遭う宿命にある(笑)。
九霊元聖 あたまが9個ある獅子の精。なにしろ9つも口があるので(笑)三弟子が一緒になって戦っても敵わず、悟空さえも一度はとっつかまって酷い(?)目に遭う。こういう「悟空でも敵わない」系はたいてい正体が天の者のペットだったりして、ご主人様においで願い、連れてってもらう、という成り行きが黄金パターン。



他にもたくさんいるが際限ないのでこんくらい。