◆3巻(第21回〜第30回)



◆第22回 (09/01/13更新)

とりあえず三巻は悟浄が仲間になる第22回を先に更新。

ここいら辺りはあまりに有名でいまさら解説つけるまでもないと思うのだけど、まあいちおうまじめにおさらい原作忠実レベルにて。
三蔵、悟空、八戒+白馬のご一行は流沙河のほとりまでたどり着いた。
川幅が八百里もあるし岸辺の石碑には「この河は蘆の花もガチョウの羽毛も沈む」なんて刻まれている。さあどうしようと立ち往生。
すると、河から突然妖怪が躍り出て、師父をひっつかもうとした。悟空はとっさに師父をつかんで高台に逃げ、八戒が応戦。
が、黙ってみてられないせっかち悟空は、河の妖怪と八戒とがガチンコしてる横から「おれさまもー!!」と鉄棒振り回して飛び込んでしまった。…あわてて逃げる妖怪、邪魔されたのをじだんだ踏んで悔しがる八戒。
 悟空は「久しく棒を振り回してないからむずむずしてきた」んだそうで、とりあえずは岸辺を離れ、三蔵のもとにふたりそろって戻る、が、ここの描写が目を疑う。

 ふたり、おててをつなぎ、おしゃべりしたり笑ったりしながら、三蔵のもとへ引き返しました。

えww
ちなみに、別の巻でも八戒と悟空は「おててをつないで仲良く連れ立って」とかあります。…スキンシップがダイレクトですな…いい男同士、師兄と師弟で。


さて悟空がことのなりゆきを説明すると、珍しく三蔵が積極的なことを言い出す。
いわく、さっきの河の妖怪はきっと河のことをよく知っているから、捕まえればきっとこの河を渡れる術が見つかるだろう、とのこと。
弟子たちも、なるほど、じゃあもっぺんいってきまーす、の流れに。
八戒はさっき邪魔されてちょっといらついてたので悟空に譲ろうとするが、悟空、正直に水のなかが苦手だと告白。それを聞いた八戒が「この猪さまは得意だぜ!」ととたんにやる気を出した。
悟空は八戒に「無理に水中で頑張らなくとも、奴を地上におびきよせてくれればあとはおれさまが手助けしてやる」と知恵を貸す。合点承知、と八戒は真面目に出かけて、さあ河の妖怪と再戦。(やる気あるじゃん八戒)
んで、河の妖怪、すなわち悟浄の自己紹介。ぬあんと4Pにまたがって丁寧に生まれから説明してくれます。これを読む限りでは悟浄は地上出身のおのぼりさんで、かつ天界から左遷、というか罰をくらって地上に流されたそうで。
…なんで流刑か、…なんか大事な玻璃杯をがっちゃん落としたんだって。そんだけで!

…こんなんで死刑くらうとこだったら孫さまなんか何千回死刑なんだよ、とツッコミたい気持ちはさておき(所詮世の中は実力主義、もとい弱肉強食だからね)、八戒にむかって「おまえの腹の肉が喰いたい、ベーコンのミソ漬けにでもしてやるぞ」とすんごいことを言う。さすが人食い妖怪。
ついでに八戒はベーコンで「おいらの皮の肉はみずみずしいんだぞ!失礼な!」とへんな方向に怒り出す。…さすが猪。
…これ、悟空が相手だったら、喰うとこ無いとかぼやいたんでしょうか。

で、また水のなかでドンバチやったあと八戒は必死で岸辺までおびきよせるのだが、せっかち悟空がもう我慢できず、うずうず岸辺で待ってたもんだから、また横から「どりゃあーー」と鉄棒で一発。妖怪は怖くなってまた水中に潜り逃げてしまった。
八戒、ちょー怒る怒る。しかし悟空それをへいちゃらでかわし、今日の営業は終了しました宣言。お斎をもらってくるから休みましょうよ、とさらり。
一晩高台で明かしたご一行。次の日また悟空は八戒に頼み込み、戦わせた。ところが妖怪も、地上で悟空が鉄棒を構えて待っていると当然気がついているのでもはやおびきよせにひっかからない。しかたなく悟空は観音菩薩に助けを求める。
あっという間に普陀山までやってきた悟空が、さて事情を説明すると観音は苦い顔で「おまえときたらうぬぼれやだから、また自己紹介すらしなかったんだろう」とさっそくお小言。
※玉竜が仲間になったときに悟空は、観音から「西天取経に行く唐の僧侶と、そのおつきだ、と名乗れば帰順する妖怪が必ず居るからちゃんと自己紹介しなさいね」と言い含められていたのだ。
悟空は「でも戦ったのはおとうとでおれさまは口も聞いてません」とちゃっかり言い訳してから「じゃあどうやったら妖怪を帰順されられるのか?」と尋ねた。
観音は「くだんの妖怪は私が三蔵の弟子とするべく手配しておいたものだから、法名を呼んでやれば出てくるよ」と教え、弟子の恵岸行者を使いに出す。

八戒は、このころはまだ真面目、というか「おふざけモード」がほとんどスイッチ入らず、恵岸がくると丁寧にお礼を言ったり、悟空の言いつけに従ってきちんと言うこときいたり、とびみょーに八戒らしくない(笑)。悟浄が居ないせいか、目立って怠けることができなかったのだろう。…これで、悟浄が入った後はもーーーー八戒は壮絶に怠けモード全開ですから。
恵岸は流沙河につくと、水の上から悟浄悟浄と呼びかけた。 悟空のことが怖くてすみかにひっこんでいた悟浄もその声にあわてて飛び出し恵岸にごあいさつ。事情を聞いてびっくり。なんと弟子になれと言われていた唐の僧侶が居るという。
八戒をゆびさし「あいつは私とさんざドンバチしたけど取経のしゅの字も口にしなかった!」とさっそく抗議。さらに悟空を見ると


「この親分が、あいつの助っとをしていました。それはそれはすごいやつです。わたしは、行くのはごめんです」

一目見て悟空がもーれつ強いと見てとり「怖いからいやだ」と言ってしまう悟浄。
…が、頑張れ!大丈夫だ、孫さま実は悟浄には優しいんだよ(笑)きっと後で判るから!
恵岸も「こわがってどうする? 一緒に行ってあげるから」となだめ(大笑)、悟浄も覚悟を決めて三蔵たちの前にやっと出てきた。いきなりひざまずき


「お師匠さま、わたくしめ、目はあれども目ン玉なく、お師匠さまの尊容を見分けられず、さんざん逆らってしまいました。なにとぞ、なにとぞお恕しください」

えれー真面目。ていうか態度激変(笑)。
そこで八戒が「ろくでなしめ!おいらにさんざ歯向かいやがって!」というところを横から悟空笑って「まあそう責めるな、おれたちだって取経のことやら何も言わなかったんだから」と、ちゃっかり悟浄をフォローする側に。
…自分が言われたら怒るくせに。とは八戒もさすがに言うまい…(笑)

ま、あとは、恵岸がもってきたひょうたんに、悟浄のもってたしゃれこうべ(今まで喰った取経僧9人分。…多分、これ、三蔵の前の生まれ変わり。今の三蔵は10回目の生まれ変わりだから…)をぐるっとまわして水に浮かべると船になり、師父をそこにのっけて風のよーに流沙河を渡り切ることができた。
注目は、悟空は玉竜といっしょに雲で、八戒と悟浄が右左を水中から、という描写。ひとりのりですねこの船。…ま、いいけど。ついでにしゃれこうべは渡り終えたあと風と化して消えたので、そのあと悟浄はしゃれこうべを首飾りにしてません。
日本テレビのドラマではおもいきり骸骨首飾りだったけど、間違いなんだよねアレ。…まあ細かいことツッコミいれるのは無粋だし文句言いたい訳じゃないんだが、一応間違いだ、ってことは念頭においといてもらえると。…マンガとかでも、結構しゃれこうべのまんま、ってのありがちで。
…とかいったらそもそも

悟浄は断じて河童じゃないから!!!

はあはあ、これだけは、これだけは。お願い。原作を知っておいてほしい。
もーどこでもかしこでも悟浄は河童になっちゃってて、悲しい…。